« 二十年の昔。 | トップページ | 『バード・バード』。 »

いたく欠損。

Dsc_0865 花山多佳子さん『木立ダリア』からもう少し。

・はなびらのひとつ落ちたる石蕗はいたく欠損といふ感じする

・ダム湖のほとりで夜通し踊つてきたといふ息子にはときどきそんな夜がある

・読み返しながら付箋を剝がしゆく貸してほしいと言はれた歌集

・上山(かみのやま)金瓶村の墓前祭「先生」と呼びかけるこゑを聞きをり

などもいい。

 「欠損」という硬い言い方を植物にぶつけるバランスの妙。

 だれかに歌集を貸すときに、自分の評価がその人に影響しないようにする心遣い、というよりも面倒くさそうに付箋を剝す指先。

 茂吉を先生と呼ぶのは相当な年下の弟子であるはずだから、そのことへの驚き。

 などなど、花山調の低体温的なところにぞくぞくするのである。

 写真は、〈富士そば〉にて。

 冷やし大根そば。ダイコンといっても、刺身のつまにしか見えないし、そういう味。

|

« 二十年の昔。 | トップページ | 『バード・バード』。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 二十年の昔。 | トップページ | 『バード・バード』。 »