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『のらねこ地図』。

Photo  橋本恵美さん『のらねこ地図』(青磁社)。

 地図にマップとルビがある。

 本文(ほんもん)が茶色で印刷されている。

 装丁も凝っている。さすが青磁社。

 前田康子さんの跋に丁寧に書かれているとおり、橋本さんはとおーーってもいい人という印象。

 短歌では(文学ではというべきか)、悪を盛り込むとそれなりにまとまる。

 だが、これだけ真っ向から真っ当で健全な人生の細部を切り取るという方法も力強く感じる。(小島ゆかりよりもさらに明るい印象。)

 幸せを感知する能力の高い人であり、こういう方と暮らせば、必ずやってくる悲しみにも立ち向かえる感じがする。。

・牛乳キャップと輪ゴムで作る腕時計 母は「何時がいい?」といつも

・猫の死に「そうか」と言って長男は一人お風呂でピーピー泣けり

・ママチャリに寄り添う小さな自転車よ反抗期でも並んで停まる

・言いたきこと二つ抱えて夫誘う一周四〇分の池の辺

・この夏を共に過ぎ来て向日葵はこうして枯れてゆくのよと枯れる

 前半から。細部がとてもいい。懐かしさに泣けてしまうところもあった。いい歌はいくらでもあがる歌集だ。

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