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曾祖母。

Dsc_0923111 橋本恵美さんの『のらねこ地図』

 こんな歌があった。

・抽斗にひとつあるのは遠き日に曾祖母くれし春の繭玉

・雪なかにワッフル売りは立ちており銅の菓子型ほのか温めて

 1首目、「祖母のくれたる」にもできるし、その方がリズム的にもイメージ的にもなだらかだろう。

 しかし、「曾祖母」が、事実のゆるぎなさを思わせる。

 リアリティーとは違うすこしざらりとした手触りのある部分。

 短歌に慣れてゆくと、詩的なフィクションの利かせどころが体得できてしまう。

 それがかえって作品のインパクトを弱めてしまう。

 この歌集のテーマは家族だし、家族にフィクションのフィルターをかけるのは後ろめたい気持ちもある。

 そういう素朴な意識がうまく作用しているのだろう。 

 2首目もとてもいい。作者が温かさを感知する人だからこそ、こういう歌を素直に出せるのにちがいない。

 写真は、新井薬師前駅前、〈富士そば〉にて。ざる蕎麦とアサリのかきあげ。 

 かきあげに汁は不要だったなあ。

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