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芹摘むごとき。

Dsc_0976 田村元さんの『北二十二条西七丁目』から。

 一首の歌が普遍性を帯びて、無記名のでも耐えられる秀歌になり、同時にその作者の評価につながる。

 という方向はひとつの理想。

 一方で、同時代の歌は、外部からは個々の作者の特徴がないように見えるという話も聞く。

・もう何処へ行つてもわれはわれのまま信号待ちなどしてゐるだらう

・七百円の中トロを食ふ束の間もわれを忘れることができない

という歌は、共感を呼ぶいい歌だと思うけれど、没個性でもある。

 一方、

・夕闇の重さに沈みゆくビルに芹(せり)摘むごとき労働はあり

・西日さす部屋の真中の憂鬱かわれも昭和に生れたるひとり

・ぬばたまの常磐線の酔客の支へて来る日本、はどこだ

のような「労働」「昭和」「日本」などの大きなテーマに挑んだ(というほどでもないけど)歌にこそ、田村元さんの作者像が色濃く出ているのではないかと思う。

 写真は、中野マルイ〈つな八・凛〉にて。

 ランチの天丼。ご飯を別に一膳もらってちょうどよかった。

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