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『木立ダリア』。

Photo 花山多佳子さんから『木立ダリア』(本阿弥書店)をいただく。

 いつもながら、なにもないところから、微量の詩になる起伏を感受して言葉にしてゆくところが好きだ。

 日常の中でも、あえて気持ちの振れ幅の少ない部分に焦点を当てて、アンプで増幅して歌にするような方法と言おうか。

 奥村晃作の言葉で言えば、「歌い下げ」(もちろん歌い上げ、に対しての用語)の要素もあろう。

 それでもおもしろいのは、花山さんの言葉遣いの巧みさと視点の妙である。

・思はざるところにメトロの入口があれば降りゆく夜を別れて

・段ボールの箱畳みゆき血のめぐり良くなるけはひ三個目あたりで

・短文を書くためあちこち読み散らし充実したる一日となりぬ

・納豆入り激辛スープ 母親のつくらぬもののみ娘はつくる

 こういう、あけすけな(見も蓋もないというのか)ところに花山さんの歌のおもしろさはある。まさにプロフェッショナルの短歌である。

 装丁は、花山周子さん。いつも大胆で繊細な色遣いと構図で楽しませてくれる。

 これもその系統。こういうのは好きか嫌いかの問題。好きなものは好きなのである。

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