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『バード・バード』。

Photo なみの亜子さんの『バード・バード』(砂子屋書房)。

 いつからか吉野の山の中でお住まいのご様子である。

 前登志夫さんとはもちろん違う感じの吉野生活。

 元は都市生活者であり、シャープな歌と文章をお書きのなみのさん。

 そのすっきりとした視点が山の生活でも生きていると思った。

・かなしくていずる声にはあらねども鹿の鳴けるはかなしきこえに

・川沿いに鹿の足跡小(ち)さきもあり小(ち)さきはあちこち寄り道多し

・夜の庭に芽を食みにくる鹿あればあした見にゆく嚙まれたる樹を

・水源とせる川なかに鹿死ねるを聞きたることは誰にも黙す

などの鹿詠(?)がいい。

 山の中の生活は、都会生活者には想像しづらい。

 けれど、これほど鹿と近しいという一点から、少しはイメージできている気もする。

 鹿クンたちに心的にもぐっと近づいて、それでも距離を保っている感じがいいのだ。

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