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恃むごとくに。

Dsc_0685_2  大島史洋さんの『遠く離れて』の後半には、お母さまの介護で頻繁にふるさとの中津川に帰られる歌がある。

 認知症で、90歳で亡くなるご母堂。

 若い歌人の、もっと技巧とヒネリを効かせた世界も短歌。

 だが、こうした人生にしっかりと貼りついた事実を歌ってゆく歌を読むのも短歌に関わるすばらしいところ。

 必ずしも数は多くないし、ことさらに独創的でもないのだが、やはりいい歌だと思う。

 書き留めておきたい。

・耳遠き父がするどく母を叱るおのれの声を恃むごとくに

・いくたびも静かだねえとつぶやける母の心を乱すべからず

・背後より母を支えて こんなにも母のからだに触れしことなし

・中津川行き先頭車両にわが立ちて線路を見つむ死者に会うべく

・母の死をさして思わぬ感情の不可思議さ母はすでに死にいき

など。

 いつか大島さんからきいた話を思い出した。

 自宅で自分のペースでゆっくりと食事をしていたら、もっと長生きできたかもしれない。

 介護施設で、集団のペースに合わせてせかされながら食事をさせられたから、「誤嚥」という事故が起こり、死期を早めたのだと。

 写真は、無印良品の製品。わざわざイタリアから運んできたという。ありがたい。フードマイレージを気にしつつ食べる。いい商品。

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