« あなたは。 | トップページ | 穴メリカン。 »

『水の花』。

Photo  雨宮雅子さんから第十歌集『水の花』(角川書店)をいただく。

 重々しくてどこか撥ね返されるように思っていた雨宮さんの作品だが、この歌集にはすっきりした作品もあっていいと思った。

 おどろおどろしいというか深すぎるのは苦手で、個人的な背景から切り離された、ふとした瞬間の歌が好きである。

 ちなみに、雨宮さんが棄教されたということもひとつのテーマになっている。

・ひき出だす狂気といふもあらなくに日にいくたびも庖丁拭ふ

・シガレットケースの銀も六年の忌の近づけば黒ずみてをり

(夫君竹田善四郎さんの忌日だろうか。)

・眼にちからこめれば獲(と)れるもののごとし椿の枝に来ゐる頬白

・どんよりと横たはる沼も春となりしきりにひかり溜めてゐるらし

・なきがらを運ぶくるまと思ふまで尾灯を雨ににじますくるま

 とりあえず、前半として。

|

« あなたは。 | トップページ | 穴メリカン。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« あなたは。 | トップページ | 穴メリカン。 »