« 『草ばうばう』。 | トップページ | 『しんきろう』。 »

『こどもたんか』。

Photo 本多稜さん『こどもたんか』(角川書店)を読む。

 いわゆる序数歌集ではなく、子育ての歌をテーマにした一冊。

 男男女の3人のお子さんの、3番目の女の子の誕生から3歳までを、時間を追ってまとめている。

 事実・エピソード系、観察系、思索系などが、バランスよく並んでいる。

 ときに甘くときに幼い表現になってしまうのはそれでいい。

 一首一首の歌の良し悪しという評価軸と同時に、歌の内容世界のおもしろさの軸をもって楽しくせつなく読んだ。

 こういう大胆な歌集にするところが、さすがスケールの大きな、男・本多稜という感じだ。

・キスの音かとも思えるくしゃみしてひとつこの世のスイッチを押す

・フツーに壊れたと繰り返すのみ問いつめてゆけば本泣き泣き負かされつ

・かあさんの中で電気が黄色からピンクになって出ることにした

 (これは、胎児の記憶というものかな。)

・壊したる父の眼鏡の数をひとつ越えて次男は五つとなりぬ

・六歳にして赤ちゃんは要らぬと言うのんびりしたいからとのたまう

 さまざまな視点と主人公から繰り出される世界、それが子育てというものなのだろう。

・みどり児を椅子ごと放りたき衝動ありしこと胸に刻みおくなり

 その中に、こういう歌があることを、私も胸に刻みおきたい。

 とりあえず、5首。

|

« 『草ばうばう』。 | トップページ | 『しんきろう』。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 『草ばうばう』。 | トップページ | 『しんきろう』。 »