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紙の音する。

Ca3g2490  今井恵子さん『やわらかに曇る冬の日』のつづき。

 この粘着的なタイトルからも、今井さんの思索のあとが見えていい。

 この歌集の中心のひとつは、お母さまの挽歌。

・手のひらもて触れればまこと冷たくて母の死顔 泣きながら撮る

・今朝母の息絶えていし浴槽に沈めば温もりゆきぬわが身は

・みずからの形にもどりゆくのだろう夜闇の中にて紙の音する

・ゆくりなき冬の光に足首がふぁふぁんと温し火葬場を出て

・母が杖を倒ししときの傷跡の鈍く光れる敷居を拭う

など。

 一首目の「泣きながら撮る」の客観的になろうとするところが、今井さんのイメージに合う。

 三首目は、遺体が安置されているシーンだろうか。

 その前に「硬直に遇う」という歌がある。死後硬直から体が戻ろうとするときの音だろうか。かなり怖い。

 写真は、秋のある日の高田馬場駅周辺。

 フィルターを掛けたわけではありません。

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