« 紙の音する。 | トップページ | ヴィーガン。 »

『夏空の櫂』。

Photo  先週、仲間うちの読書会で、米川千嘉子さん『夏空の櫂』を再読。

 砂子屋書房の文庫にもなって入手しやすくなった。

 改めて読むと、作者のカタさ、マジメさが前面にでている感じがした。

 動詞が濃く、重い。過剰ともいえるほどに気持ちを押しこんでゆく歌かもしれない。

 どの歌から、言葉をひとつふたつ抜いてみたいと言っていた人もいた。

 いいと思うのは、こんな歌だ。

・桃の蜜てのひらの見えぬ場所に沁む若き日はいついかに終らむ

・劣等の感情われに突きつけて汗垂れて少年の噴くごとき黙(もだ)

・少年の言葉ののちに湧く虚脱われか少年のものか分たず

・何もかも打ち消すごとくざんざんと雨降る夜を二人聴きゐつ

・怒りたるついでに愛も直情に言ひたる夜はひりひりと来ぬ

・わればかり語り来しことせつなくて帽子売場の一つをかぶる

 米川さんは、高校の教員だったこともある。

 2・3首目はそのときの歌。教員としてよくわかってしまう。

|

« 紙の音する。 | トップページ | ヴィーガン。 »

コメント

読みました

投稿: | 2017年2月 6日 (月) 15時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 紙の音する。 | トップページ | ヴィーガン。 »