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ひとしづくづつ。

Photo_108  午後、新宿の朝日カルチャーセンターの講座にゆく。半年に2度ほど、高野氏の代わりに「秀歌鑑賞」という名前の場を与えてもらっている。

 きょうは、まず高野公彦『淡青』について。

 レジュメ作成段階で、ふと思いついて、一部を穴埋めにしてみる、もちろん知識の問題ではない。こうやってみると、タカノ短歌の秘密が分かるような気がするのだ。(□に一文字づつ入る。)

例えば、

①言葉なく手触(たふ)るる□にあたたかき陽のなごりある夕べかなしも

②折ふしに車窓をよぎる小さき駅ひとしづくづつ□□となりゆく

③くさはらの枯るるなかより現れししづけき石は□□のごと見ゆ

④あした先(ま)づ飲む珈琲はくさぐさの□□より濃く胃の腑に沈む

など。

No_news_1  もう一冊は、島田幸典歌集『no news』。

・なに喰わぬ顔して猫が戻りくる角度で君のメール届きつ

・山ふじが丘のなだりに咲くほどに記憶はふいに人を点(とも)しぬ

・重砲を運びしのちに肉となる完璧な牛ありきビルマに

など、抽出だけではわからない、新しさを秘めている作者である。早い第二歌集が待たれる。

(解答 ①墓 ②過去 ③知恵 ④思想)

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コメント

こんにちは。
 なかなか多彩な解答ですね。わかるのは、高野作品には、漢語が効果的に使われているということです。なんでも和語でやわらかく言えば良いってものではないのですね。この辺が難しいのですが。

投稿: おおまつ | 2007年7月19日 (木) 20時21分

高野作品、惚れ惚れします。
①壁か窓?
②過去
③無垢か愛?
④悩みか?

などと瞬間的に。
正解に膝を打ちました!
自分は、③は逆の発想、①④は浅い発想でした。

年齢ではなく、人生の年季が入っている。
苦を消化し、美しい表現に昇華している。
そんなふうに感動しました。

ご紹介ありがとうございました。
たくさん書くのも憚られるので触れませんが、島田作品もいいですね!

投稿: ひびき | 2007年7月18日 (水) 19時35分

幸か不幸かこれらの短歌を知らなかったので、クイズ大好きな私としては、さっそく考えてみました。

ズバリ正解できたのは、2の「過去」。

おまけの正解(内容が当たらずといえとも遠からず)は、4の「思想」で、私は「想ひ」を入れました。

大ハズレが 1の「墓」で、私は「髪」を入れました。「墓」は思いもよらなかったですが、答えを知ってみると、もう「墓」しかないですね。すごい!

まったくの落第が3の「知恵」で・・恥ずかしいから私の考えた答えは書きません。
でも、「知恵」か・・・。なるほど深い。そういうところが、高野短歌の秘密なんですね。
勉強になります。

投稿: 佐藤紀子 | 2007年7月18日 (水) 08時04分

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